第3章 存在
ある日、マリーが仕事に慣れてきたころ。
午前の一通りの仕事を終え、マリーは食堂で昼食をとっていた。
「おい。話しがある。」
久しぶりに聞いたリヴァイの声。
『お久しぶりですね、兵長。』
振り返ると見えた顔は明らかに隈があり、疲れているようだった。
『大丈夫ですか?お疲れなんじゃ…「てめえの母親はアルマ・スミスか。」
…え?
「てめえの母親はアルマかと聞いている。どうなんだ。」
マリーは兵長が何を考えているのかわからず、ただ困惑していた。
『…どうして私の母の話をしなきゃいけないんですか?』
「それは肯定と取っていいんだな。」
マリーは言葉が無く俯く。
「…。アルマとフリッツは元気か?」
兵長の表情が辛いことに耐えているようで、思わずマリーはリヴァイに抱きつく。
『…両親は死にました。目の前で。』
身長が低いと言われるリヴァイだがマリーはリヴァイよりも小さく、リヴァイの胸にすっぽりと埋まった。