第1章 終わりと始まり
地面に倒れる覚悟をしていたが痛みはなかなか現れない。
目をゆっくり開けると、母と同じ綺麗な青い瞳。
「久しぶりだね、マリー。覚えてくれていると嬉しいんだが。」
『おじちゃん…エルヴィンおじちゃん‼‼』
ずっとずっと待っていた。
やっと会えた。
嬉しくて首に抱きつく。
涙が溢れてくる。
「マリー。話したいことはたくさんあるがとりあえずここを出よう。」
頷くと先程とは違う優しい笑みで手足の紐が外されていく。
「立てるかい?」
『力入らないや…。』
苦笑いするとまた微笑み、
「そうか。なら特別だ。」
おんぶされて歩きだす。
これが本当の始まりだった。