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翼に憧れて【進撃の巨人】

第1章 終わりと始まり


プロローグ



ふと、空を見上げる。
薄暗く今にも泣き出しそうな厚い雲だけが、唯々私を見下ろす空虚な世界。

ふと、足元を見下ろす。
濃い紅に染まり、時折鼻につくニオイ。漂う蒸気。だがたしかにそこにあるのは冷たくなったあの人の体。

『そうだ。世界は残酷なんだった。』

空からは雨が降りだし、少女を濡らす。地の紅を薄め清めていく。

少女の頬を一滴の雫がつたった。
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