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傍にいる[推しの子]

第41章 恋愛リアリティーショー 第18話



- レンside -

「これからはさ、あかねも
ちょっとキャラ付けた方が良いんじゃない??
やっぱ素の自分で出て叩かれるとダメージ大きいし」

「そうだな
何かしら演じてたらその「役」が鎧になる
素の自分を晒しても傷付くだけ
これは別にリアリティーショーに限った話じゃない
社交術としても重要な概念だ」

自分自身を守る為の手段、
あかねちゃんにキャラ付けを勧めたアクア

『そうだね、私だって何重にも演じてるし』

と、私もそれには賛成した
キャラ付けするって事は自分を偽る事
偽るって事はつまりは嘘を吐くって事
嘘は自分を守る為の手段の1つ

私はこれ以上あかねちゃんが
傷付くのは見たくなかった

するとメムちゃんとゆきちゃんが
アクアに好きなタイプを聞き出し始めた

渋々とだけど当然、アクアは
「アイ」の特徴をポツリポツリと伝えた

数日後、あかねちゃんが
復帰する事になってカメラマンの掛け声と共に
あかねちゃんの雰囲気がガラッと変わった
それが分かったのは話し始めてからで…

「それではカメラ回しまーす」

「行くぞ」

『はーいっ』

「うん、そうだねアクア、レン」

『「っ!?」』

一言…たった一言を聞いた瞬間だった

「ふぁっ…眠いんだよね収録早すぎてさー」

『う、そ…でしょ…??』

「あっもうカメラ回ってる??てへっ☆!!」

「っ…!!」

この数日の間で、アクアが教えた
「アイ」の特徴を見事にトレースした
あかねちゃんは瞬く間に人気になった

その時からアクアの様子は
おかしくなって私も当然おかしくなった
だって、「アイ」がいるんだもん
どうしたらいいのか分からなくなって
少しの間、虚無が私を支配した

するとアクアの様子がおかしいと確信した
メムちゃんとゆきちゃんに好きなのかと
問いかけられ続けた時のアクアの顔は
忘れられない…だってあんな顔…
私、見た事ないもの…いや、正確には
紙媒体でなら見ているけども

そしてその顔を見たと
同時に思い出した事があった

この先の展開を私は知ってる

見た事のない顔を必死に
隠したアクアは私を置いて教室を出る

この後3人はあの話をするはず

「どうするどうする!?」

「ど…どうしたら良いのかなぁ…」

「あっ!!いつものあかねに戻っちゃった!!」

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