第30章 恋愛リアリティーショー 第7話
- アクア side -
レンから寝息が
聞こえてから俺は目を開けチラッと見た
「…いや、まじか///」
実を言うと俺は
<何でこんなに格好良くて
良い声してんのよ、アクアのばか>
と、褒められているのか分からない
罵倒の言葉の所から起きていた
確かに俺は彼女の「推し」だと言われている
…が、改めて言葉で褒められた事は
あまり無かった
そしてなにより
<卑怯かもしれないけど…
これくらい良いよね…??>
と言った後、キスしてきた事だ
「…いや、まじか///」
思わず気が動転して
また同じ事を言ってしまった
レンからしてくるのは
今回含め2回目な訳で…
1回目はルビーの悪戯のせいで
レンの身体が強制的に発情した時だ
…だが今回のは前回とは違っていた
ちゃんと自分の意思でしてくれたキスだった
「っ…」
誰も見ていないのに何とか
顔を緩めずにあくまで平然を装う
じゃないと暫く顔が戻らなそうだからだ
もし緩んだ顔をルビーに見られでもしたら
<え…お兄ちゃんどしたのっ!?
顔、超キモイことになってるけど!?>
なんて失礼な事を言われかねない…
人間独り言を言う時はほぼほぼ本心だ…
なら、さっきの言葉もそう思っていいだろう
「…悶え死させる気か??」((ナデ
寝ているレンの頭を撫で呟く
「頭痛がまだ続いてるなら
無理すんなよ、バカレン」
お返しと言わんばかりに俺は彼女に言った
「さて…レン起きろ、風邪ひくぞ??」((ユサユサ
『んー…』
揺さぶって起こしてみたがこりゃ起きないな
「…ったく」((ヒョイ
((トサ
レンを姫様抱っこして
ベッドに寝かし、掛け布団をしてやる
『…え、へへ』((ゴソゴソ
掛け布団を掛けてやると寝ぼけているのか
微笑みながら潜って行った
「可愛いやつ…」
…今の俺に恋愛は必要ない
そう思っていても自覚してしまった以上
見て見ぬふりはやはり出来ない
なら復讐は勿論だが…レンを
この計画に巻き込んだ以上守らなければ
レンの笑顔を守らなければ…
「…だから傍に…傍で笑っていてくれ
それだけで俺は救われる…」((チュ
俺は願いを込める様にレンの
額にキスを落とし風呂に向かった