第26章 恋愛リアリティーショー 第3話
そう言いながらMEMちょは
レンと戦人の方をチラ見する
2人は何気ない会話をしているが戦人はレンを
狙っている、最初からそういう感じを出していた
近づけないようにと思っていたがこれがまた
なかなかに難しく安全圏でいる為には
動く事も出来ない
「…気の所為だろ」
「…そういう事にしておくぅ」
内心焦ってはいるがそれを悟られてはいけない
だから話をMEMちょをメインにした
話題にすり替えた
「そっちはどうなんだ??
いっちょ噛みしにいかないのか??」
「私はこのままおバカ系癒し枠キープ
出来ればそれでいいかなぁ
自分のチャンネルにお客の導線引くのが目的だし
アクたんがマジでアプローチしてくるなら
話は別だけど??」
「あまり期待はするな」
「でも私たちより心配なのは…」
そう言ってMEMちょは黒川に視線を送った
- 某スタジオ Noside -
<中にも東寺の羅生門には茨木童子が>
<うで栗五合つかんでおむしゃる>
<かの頼光も膝元去らず>
「今ガチ」の収録が無い日
黒川はレッスンに励んでいた
「マネージャー…レッスン室の鍵…」
「お前はクビになりてぇのか!?あぁ!?」
「…!?」((ビク
「最近あかねの出てるリアリティーショーが人気
出てるって言うから観てみたらなんだこれは!?
総出演時間10分もいってねぇんじゃねぇか!?
チャンスだって言うのにこれっぽっちも
目立ってない!!マネージャーのお前がしっかり
指導しなくてどうする!!」
幸か不幸か黒川はマネージャーが社長に
怒鳴られている所を目撃してしまう
「ですが社長…あかねも十分頑張って…」
「頑張るだけじゃ金にならないんだよ!!
他にもやりてぇって言う奴が大勢居る中で
選んでやったんだ!!爪痕の1つでも残させろ!!」
マネージャーは黒川を庇い続け、部屋を出た
「マネージャーごめんなさい」
「ごめん、聞こえてたか
あかねは精一杯やってるんだ、気にしなくていい
ちゃんと俺が防波堤になるから」
「…わ…私が不甲斐ないから…
頑張らなきゃ、頑張って…爪痕残さなきゃ…」
そう1人で呟きながら鞄の中から出したのはメモ帳
そこに書かれているのは焼き肉で
MEMちょが言っていた
「今求められているものはよりカゲキなもの」
黒川は新たに決意をする