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傍にいる[推しの子]

第25章 恋愛リアリティーショー 第2話 ▲



- レン side -

最近、気付いた事がある…
この世界の出来事を直前にならないと
思い出せないでいる…
それが何でなのかは分からない

アイが死んでから暫くして思い出した自分の正体
そこから知ってる限りの事をしてきたけど
全部失敗に終わってる…
これはもう仕方ない事なんだと理解をしている

だからこそ、私はアクアの力になると誓った

でもここからが問題
始まりは「今日あま」の
撮影時のかなちゃんの最後の表情…
アクアの演技を目の当たりにして
恋に落ちるかなちゃんの話…なんだけど
直前にならないと思い出せなかった

そこからといいかなちゃんのアイドル勧誘
鏑木さんの「今ガチ」の交換条件

こうも同じ事が3回もあればきっとこの先も…
ううん、この先ずっと直前になって
思い出すんだろうって予想がつく

アクアの力になると誓ったけど
この直前にってのがまた厄介なもので…
心の準備が出来ないのと力になれるのか
分からない状況が1番辛い

『っ…』

「カーット!!
…どうしたの灰簾ちゃん
集中出来てない感じするけど」

『す、すみません…』

「珍しいね、体調でも悪い??」

『いえ、大丈夫です…』

私の仕事は「今ガチ」収録の他に「蜜ドロ」収録もある
今日はその「蜜ドロ」収録の日

そして最初知らされていた役から
メイン役に急遽変更という話があった
なんでもメインの女優が体調を崩したとの事で…
その役を1から自分の中で練り直さないといけない
尚且つ1話から撮り始めるという
前代未聞な出来事が起きた

自分なりに収録までにその役を解釈して練り直し
今日を迎えたのだけど…上手く役に入れない…
そのせいで監督と出演者さんに
心配かけてしまった…

正直かなりまずいかも…
早く考えをまとめないと…

アクアとルビーの事、アクアとかなちゃんの事
アクアの復讐の事…そしてこれからの事

心の準備が直前で出来ない以上
今まで以上に気を引き締めないと…

よし、そうと決まればやる事は1つ

『監督、もう1度お願いしますっ!!』

ルビーとかなちゃんは新しい1歩を踏み出した
アクアはいやいやだろうけど理由がどうであれ
役者の道を再び歩み始めた

なら私は、今の目の前の仕事を全力でやるだけ

───そして後日、
この収録した「蜂蜜ドロップ」第1話が放送された

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