第16章 高性能の媚薬
飲みました。それは一気飲みで。マーフィスが唖然としていたけれど、躊躇しても仕方ないもの。味?う~ん・・・薄いけれど甘い味。色は薄紫色。
暫し、飲んだ余韻に浸っていた私。マーフィスは黙ったまま、私を見ている。あまりにも何も言わないマーフィスに目を合わせた私は、急に体温が上昇した事に驚いた。
「ミア?何処か具合は・・・。」
「脱ぐ。」
「はっ!!?」
躊躇することなく、脱ぎ散らかした服。ついでに、マーフィスのシャツに手を掛けた私。
「やっぱり、マーフィスの身体って素敵。食べちゃいたい。」
全てのボタンを外せば、綺麗な腹筋が拝める。サワサワと撫でまわし、舐め回し・・・ここぞとばかりに、たまにマーフィスから付けられる赤い痣もあちこちに付ける。
ん?今、私って何してる?
「どうした?もういいのか?」
見上げれば、ニヤリとしたマーフィスの顔があった。急に、恥ずかしくなって顔を手で覆う。
「何故、可愛い顔を隠す?あぁ、次は俺の番って事か。それじゃ・・・。」
体が浮かび上がると、ベッドへと運ばれて行く。
「マ、マーフィス・・・怒ってる?」
「どうして怒る必要があるんだ?ミアは普段寝ている時も、無意識に同じ様な事をしていたぞ?」
そう言えば、そんな事を聞いた様な・・・。
「好きなんだよな、俺の身体。まぁ・・・俺は只管、忍耐を試される羽目となっていたけど。あぁ、これからも好きにしていいぞ?」
「そ、そんな・・・好きにって・・・。」
マーフィスは少し笑ってから、真剣な目をした。
「好きだ、ミア。だから、俺にミアの全部をください。」
何故、ここで敬語なの。マーフィスは私を見詰めたまま、微動だにしない。私の返事を待ってくれているのだろう。何処までも私を想ってくれて尊重してくれる。
「よ、よろしくお願いします。」
「あぁ、分かった。」
マーフィスは壊れ物を扱う様に、私を大事に扱ってくれた。キス一つも甘くて優しいし、触れる手すら気遣ってくれているのが分かる。
そして私はというと、媚薬の効能からか・・・マーフィスを受け入れたくて仕方なくなっていた。誘惑なんて高等なことは出来ないけれど、お互いに一糸纏わぬ姿に欲を感じマーフィスにしがみついた。