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特級錬金術師の旦那様

第18章 世界樹の町


「あの薬草って、何に使われるの?」
「上級の薬の素材だ。後は・・・媚薬にも使われる。」
「それって、先日私が飲んだ高性能の?」
「あぁ、一般的には勿体なくて媚薬には使わないけどな。それと、明日の夜に薬草を採取に行く。流石にミアを連れてはいけないから留守番な?」
「夜の森なんて危険じゃないの?」
「問題ない。夜でしか採取出来ないし、この前話したけど満月の夜にしか作れない薬の材料になるんだ。」

そう言えば、そんな事を聞いた覚えがある。でも、昼間でもあんなに危険なのに・・・。

「じゃあ、家に帰ったらミアを食べよう。嫌、ミアに食べられる方か。」
「えっ?えっ、それって・・・で、でも、疲れているんじゃないの?」
「あの程度で何処に疲れる要因が?どっちかと言えば、物足りなくてムラムラしてる。」

そうか、マーフィスはムラムラしてるのか。って、何で?

「家に帰ったら直ぐにしような?三回くらいすれば、一度は落ち着くと思うから。それから夕飯だな。」

マイペースに計画を口にしては、家へと急ぐマーフィスだった。


マーフィスがベッドでミアと愛し合っている頃、ある場所から逃げ出そうとしている男が一人。しかし、その背後に現れた者によって意識を奪われた。

「お前を逃がしたら、私が罰せられるだろう?大人しく、言われた通りに下僕として働けよ。次、逃げ出そうとしたら、命は無いと思え?」

普段の人のいい笑顔ではなく、全然目が笑っていないコーリスがミアに無体を働こうとした男を踏みつけた。

「お、俺は貴族で・・・。」
「貴族じゃなくせるなんて、簡単だぞ?ここは未開の地も存在するし、生きて帰るのが難しい森の奥地にでも行ってみるか?あそこがどういう場所なのか、知らない訳じゃないだろう?」

男は恐怖に顔を引き攣らせ、首を横に振った。

「それが嫌なら、大人しくしてろ。」
「相変わらず、裏表の差が激しいヤツだな。」
「おや、ギルマス。お誉めに預かり恐縮です。」
「誉めてはないんだがな。おい、お前も聞いとけ?死にたくなかったら、こいつの言うことは聞いておけよ。俺はお前の命なんぞどうでもいいんだからな。」

容赦ない言葉が吐かれ、男は涙と鼻水で顔を濡らすことしか出来なかった。
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