第4章 螺旋
あとがき
あとがきを読んでくださる皆様に感謝とおまけを。
降谷said
工藤邸への張り込みに向かっていた時の事だった。
殆ど顔は見えなくても雰囲気で分かる。
毛利探偵事務所の前で消え、数日前病院で見かけた彼女がそこにいた。
「こんな所でお会い出来るとは。」
「…。」
声をかけるが彼女からの反応は無い。
「病院でお見かけしてから心配していました。あの時あなたが居た場所に血が付いていたので、怪我をなされているのに無理に退院したのではないかと。」
「…。」
彼女は何も答えずにゆっくり振り向いた。
けれど顔が見えるよりも前に、左側の方で爆発音が聞こえた。爆風と砂埃で前が見えず防御姿勢をとると2人の足音と銃器を持って走っている独特な音が小さく聞こえて俺も銃を構えた。
砂埃の垣間から見える彼女の首元にはナイフが突きつけられていて、身動きが取れない状態だ。
「彼女を離せ!」
彼女はその体制のまま後ろに引かれ、逃走用に犯人が準備していたのだろう運転席に乗せられ後ろから脅されている様だった。
直ぐに愛車RX7の元に戻り、発進させる。
今も尚脅されているのだろう速度が異様に速い。
本部に連絡を取り連携を取りたかったが彼女の運転について行く状況で必死になり、どうすることもできずにいた。彼女は本気で追跡を振り払おうとしているのかドリフトや車輪車体をうまく利用して、宛ら走り屋のようだ。
ついて行く身にもなって欲しい、一瞬本当は仲間なんじゃ無いかとも考えたが
“捕まえて欲しかったんだよ、お巡りさん”
と書かれた以前見せて貰ったメッセージを思い出していてそれは無いかと考え直した。
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