第4章 螺旋
主人公said
ゆっくり目を開けると、沖矢さんの顔が見えた。
「気がつかれましたか。」
頭が痛く、起き上がりながら額に手を当てていると
ベッドの端に沖矢さんが座った。
「大丈夫ですか?」
沖矢さんの声に小さく頷く。
そんなことより、今は
「沖矢さん、…私は倒れる前まで何してましたか?」
その質問に沖矢さんは察してくれて、
「ライブハウスでの動画が拡散された為、
明日から貴方にはアメリカで過ごして頂きます。」
「なるほどっ…そこか」
頭痛と胸の奥に感じる圧は思ったよりも
苦しく、時折言葉に詰まる。
「…その様子を見るに、誰か知っている人に
いて貰った方が良さそうに思えるんですが。」
「それはッ」
息が出来なくなるほど苦しさは今までに無い状態になった。
ーーコナンくんの計画には誰も掛けちゃいけないこれを伝えるには、どうすればッーーー
酸欠になり始めている身体に頭はぼーっとし始めた。
すると私の携帯が震える。
パスワードが自動的に入力され、画面を
見ようとしたが手がもたついて携帯を落とす。
沖矢さんがそれを拾い、画面を見て険しい顔つきになった。
苦しさが収まり始め、呼吸が整った事を
確認すると沖矢さんは部屋を出て行った。
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