第3章 跳躍
主人公said
目が覚めるとそこは何時間か前に見た筈の阿笠邸だった。
「目が覚めましたか。」
沖矢さんの声が聞こえて目が完全に覚めた。
「何時間た…っーーー」
何だ?胸の奥が苦しい。肩で息をして落ち着くように自分の身体に促す。
「…何時間も経ってませんよ。阿笠さんに迎に行って貰いました。」
よかった。胸の苦しみから徐々に解放されながら沖矢さんの声に頷く。
「取り敢えず、紅茶淹れますね。」
沖矢さんが自分の分と私の分を淹れてくれて、ソファに座り向き合う。
「何があった?君からの通知だったが、あのボウヤが博士に迎えに来いと言っていたぞ。」
「さっき、見てましたよね?過呼吸の様な状態になって」
「気を失った、と」
赤井said
あれは過呼吸ではない。
ただ、そういう状態に近い感覚だったという事だろうな。
今度はどのくらいで起きるのかと思えば、ソファに降ろしてすぐ目覚めた。
起きる時間が決まっているのかと思ったが、どうやらそうでも無い様だな。
「以前あの辺りには近付くなと言っていたな。なのに今日は俺の携帯を鳴らした。なぜだ?」
「…コナンくんは全部知っている。ただ私は彼より先を知っている。赤井さん、私は全部答えられる訳じゃ無いんだ。」
「……どうやら、君のその話はあのボウヤが中心の様だな。」
「どうかな。私が知らない話がこの先いつ起きるのか分からない。」
「バタフライエフェクト、そう言っていたな。」
「自分の考えで誰かを救うべきなのか、誰も救うべきでは無いのか、全員助けるか見殺しか。正直、私はその答えが欲しい。」
辛そうな顔で俯いているが俺はこの答えとやらは持ち合わせていないな。
過去に行ったという記憶があれば話しているだろう。
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