第1章 手順
主人公said
空港に着いた時、有希子さんに少し強めに肩を揺すられ目を覚ました。
「んっ、」
ゆっくり目を開けると、キラキラした目で有希子さんが私を眺めている。何だろうとびっくりしていると
「…あなた、とっても色っぽい声を出すのね。」
言われた事が突拍子もなく何で今そんな事を言われるのかと考えを巡らせようとしたその時、
「有希子、その子に負担をかけちゃダメだぞ。」
「あっ。そーだった!ごめんねっ」
イギリスまで一緒に来てくれて途中で面倒を見てくれて事情を理解してくれて、その程度の事でごめんねなんて、
「とんでもない。私は皆さんに助けられてとても感謝しています。」
私の発言を聞くと夫妻はにっこり微笑んで空港を出ようと促してくれた。
空港で荷物を受け取る夫妻を横目に、私の荷物は持ち込み以外ないので周りの様子を伺っていた。
「次はどうするんだい?誰か探しているんだろう?」
優作さんに話しかけられ、私はその質問に正直に答えた。
「世界的な大泥棒を。」
一章 手順 🔚
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