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D.World.

第16章 “疎通”










降谷said


開店前、ポアロで今日のケーキを用意しているとコナン君が店に入ってきた。


「いらっしゃい。コナン君。」

「うん。…昨日ね、あの人から電話があったんだ。」


「!…そうか。よかった。」


安堵した。
数日振りに彼女の安否が確認出来て。

ただ、コナン君の表情が浮かない。
注文はされていないがオレンジジュースを差し出しながら聞いた。

「…どうしたんだい?」

「いや、…無事で良かったんだけど…
今度は“何で安全な場所にいるのに連絡してくれなかったのかな”って、考えちゃって。」


確かにそうだ。
安全だと言いながら、安全では無くなる可能性がある場所にいたという事が彼の中で晴らせない疑問だったんだ。


「直接、聞いてみようか。
いつ帰って来るかは言ってたかい?」

「…多分もうすぐ…」

「!…」


確信はなかった。けれど身体が動いていて

ポアロの出入り口に移動した時ドアが開く
ベルの音に振り返って彼女を抱きしめていた。


「ぇっ……」

「…どれだけ心配したか、分かってるんですか?…」


短く聞こえた声は抱き留めるとすぐに聞こえなくなり、強く抱き止めていると彼女が少しして
身体をぽすぽすと殴り始めた。


「安室さん、窒息しちゃうよ?」


コナン君の声に腕の力を緩める。
隙間が出来たところから彼女の顔が出てきて
ぷはっと息をした。





三人称said



「……今まで何処に?」

「海の上。」

「安全な場所とは?」

「海の上。」

「あの時車から連れ去った方は?」

「海の上。」

「…」

「…」





安室said

馬鹿にしているのかと思うような発言だった。

「…うーーん。まだ言えないんだよなー。」

彼女は唸りながら腕を組んだ。

「何を、ですか?」

「……何処から話そうかな。」


そう言うと彼女はいつもの考える時の癖を示した。


「…コナン君は、何知りたい?」

「ボクは…安全な場所なのに知られると安全じゃなくなるのが何でかなって…」

「安室さんは?」

「安全な場所そのものが何で何処かですね。」



僕の発言をそれは却下ねと直ぐに結論を出した。


「安全じゃ無くなる理由は、各政府機関が身柄を拘束しに来るから…かな〜?」

「は?」





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