第9章 贖罪
「…ならいっそ、タイムリープして見てきなさいよ。」
「?」
頭にハテナを浮かべたが
言っている事を理解するとそれは完全に
“二股やってみたら?”と
“なかった事にもできるでしょ?”
或いは、
“味見程度、戻ってくれば問題無い”
となる。
ーーーなんて非道なーーー
科学者とはどこまでも“実験的なことが好き”なのかと思ってしまう発言だ。
「……ミラクルキュートなサイエンティスト様ぁ、そんな簡単に言わないでよー」
机に顎を乗せ本音を叫ぶと哀ちゃんの顔は一気に赤くなった。
「!…人に言われるのには慣れないわね」
「哀ちゃんほっぺた赤い可愛い」
「とにかく、どうするか考えてみなさいよ!」
結局この先をどうするか決められないまま、この日は阿笠邸で発明品について博士と話し込んだり、哀ちゃんと別の話をしたりしてからベッドに横たわった。
「…ここに来た“理由”…」
9章 🔚