第19章 夢から醒めて
11…13 …17…19
メリーと会話を適当にしながらも…
素数を数える事に
集中…する…方にシフトする
地下神殿の…出口まで来て
…ある事をすっかり忘れていた
…そうだ… 帰りも…
時短が出来る様になったとは言え…
メリーと身体を密着させて…
あれに乗って帰らないと…ダメなんだ…
メリーの顔を見たくなかったので…
向い合せ…にじゃなくて…
いろははメリーに背中を向けて
ガラスのカプセルの様な
エレベーターに乗り込んだ
エレベーターが昇ってる間も
勿論…素数は…その間も…数え続けた…
……53……59… 61……
でも…後ろの…メリーの気配を感じて…
それに…集中出来ない…で居て
…ドキドキと…
メリーを…男性として…
意識してしまってる自分が居る
30分の道のりが…帰りには
最適化…されているので…
半分の15分…の時間
だったらしいんだけど
その…15分の…時間が
1時間にも…2時間にも
長く長く…感じてしまうような
いろはにとっては
そんな長い時間だった訳だが
『到着致しましたよ、姫様』
世界の中心から
元の場所に戻って来て
いろはは…自分の目を疑ってしまった