第17章 世界の中心に魔力を注ぐ
さっきのワープゲートの小さいサイズの
手の平に5枚ほど並ぶリングをメリーが
自分の手の平の上に並べて見せて来て
『先程…、姫様を…送り出す際に
こちらを姫様のお背中に
貼らせて頂きましたので。
魔力が極端に減ってしまえば…。
先程の様な警告アナウンスが流れますので。
それを合図に…私がこちら側から
姫様のお身体を
引き戻したまでに御座いますが…。
しかし…。完全に魔力が尽きてMP0には、
なっておりはしておりませんが。今の姫様は、
ゲームで言う所の瀕死状態に御座います…』
「これさ…全然動けないんだけどさ…。
この状態でも…魔力を回復するのに
白の世界のシナリオって体験できるの?」
『今の姫様…でも体験できる
シナリオに…御座いますね…?』
パラパラとベッドサイドに
置いていた椅子に腰を掛けたままで
メリーがいつも持っている
本の形をしたタブレットで
シナリオを検索していて
『姫様、今までの…シナリオを
思い出して頂きたいのでありますが…。
姫様は…シナリオの中で
実際に、シナリオ内の
ご自身のお身体で、
ある程度ご自身のご意思
で行動をされておられませんでしたか?』
そう言われてみたら…
今までのシナリオの数々を思い返してみると
温泉の時は温泉に辿り着くまで
白い世界をそれなりに歩いて移動したし
ミナトさんの在籍してる
淫魔のマッサージ店だって
シナリオの開始地点からは 歩かないと行けない