第17章 世界の中心に魔力を注ぐ
「ねぇっ、メリー?何か…音しない?
心臓が動いてる時の…さ
あのどくんどくんって音…みたいな」
『ええ。姫様…。
その心音の様な音こそが…
この世界のコアストーンが
内部に蓄えている魔力を…
この世界の全体に
送り出している音に御座います…』
「ストーンって言う位だから、
その、石なんだよね?」
直径が10キロとかあるリアルな巨大心臓と
この先でご対面するのは…勘弁して欲しいな…
こう…心臓…って言うなら…せめて
ちょっとファンシーに
ハートとかにして置いて欲しいな
そんな事を…考えている間に
その通路の突き当りに来ていて
またしても目の前に石の扉があるのだが
キイイイイイイインッ――
直接脳内に響いて来るような…
そんな音が聞こえて来て
自分が…持っている…お姫様ステッキの
赤いハート型の魔鉱石から…
音が聞こえているのに気が付いた
その…手元にあるステッキからの音と
その音に応える様にして
扉の向こうから音が聞こえる
共鳴…してるんだ…
この世界の…核となるコアストーンと…
魔法のステッキの…魔鉱石…が
…呼び合ってるんだ…