第13章 メイド服を着た姫様と世界樹
姫様は…シナリオを経験する度に
一人でする セルフプレジャーとも
普通のセックスで得る
マルチプルオーガズムとも違う
この世界と…魔法のステッキに
秘められていると言う
真の…快感の境地…にでも…
いろは様であられれば…
その内に辿りついて
しまわれるかも知れないが…
『もし…そうなってしまわれれば…その時は…』
そうなってしまった時を…メリーがもしもと
自分の脳内で想像をしてしまって
その想像を否定する様にして首を左右に振った
『いろは様…、私に…
貴方の執事で…在らせて下さいませ…』
閉じた二枚貝の様になったそのデイベッドの蓋を
メリーがそっと音を立てずに開くが
すぅすぅと寝息を立てている いろはは
シナリオの中に意識があるので…
目を覚ます事はない…状態で
『姫様…、少々の御無礼を…お許しを…』
穏やかな寝息を立てて眠るいろはの手を
メリーがぎゅっと…握ると
自分の手よりも小さなその手は
柔らかくて温かい