第9章 スライムと世界樹
「んん~♪かき氷、
甘くて、冷たくて、美味しい~ぃ」
『左様に御座いますか、姫様。
でしたら、あのミルキーフラッペは
この世界でさぞかし有名な、
かき氷の観光地になりますでしょうね。
この…姫様の世界の…、
特産品になるかも知れませんね』
「特産品に?かき氷が?特産品って
高価な物とか珍しい物でなくて良いの?
それにそもそも、かき氷なんて、
交易するって言っても、溶けちゃわない?
あ、でも…それこそ、固めて
かき氷ブロックにしたら
マイクラみたいに、溶けない感じになるとか?」
もぐもぐとフルーツを食べながら
いろはがメリーに問いかけて来て
溶けると言う概念を
私が脳内から排除すれば
”ミルキーフラッペの氷は溶けない”と言う
イマジネーションの力で
それは何とでも出来るらしく
溶けないかき氷は…
私の世界の特産品の候補リストに
めでたくこの度加えらえる事となった
美味しいかき氷で一息ついた後は
ニコニコ顔のメリーに促されて
メリーが探して来てくれた
もう一つの癒しのシナリオである
マッサージの方を受ける事になって
あのお姫様の天蓋のベッドの方へ移動すると
さっきまで部屋着だったのに
自分の服が自動で
ラベンダー色のナイトドレスになって居て
もう…この自動で着替えるシステムにも
違和感を感じなくなって来て居たのだが
ベッドに私が横になると
メリーが本を捲ってあるページにすると
寝物語の様な…
白の世界への導入の物語を話してくれて
相変わらずメリーは…
顔と…
声は…良いよなぁって
そんな事を…まどろんで来る意識の中で
いろはは…ぼんやりとしながら考えていた