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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第16章 ご都合呪いの時間(番外編)


匂いに飽きたのか、次は僕のところにやって来た。案の定同じようにピスピス嗅がれる。
「う…これ結構恥ずかしいね///」
人間だったらキスと同じくらいの距離。急に人間だった遊夢ちゃんを意識してしまい、背中がゾクゾクする

『……に…にぃ』

「…………鳴いた!?」
「やっぱ中身も猫なんだな」
この時間になって初めて鳴き声を上げた。みんなが驚いているのも気にせず遊夢ちゃんはミャーミャー鳴き続けて僕の身体にすり寄ってくる

「はわわ…な、何?」
「多分ご飯が欲しいんじゃない?」
「え?」
「ご飯を上げる前の猫って結構鳴くじゃない」
「そ、そうなんだ…って駄目だよ!!?遊夢ちゃんさっきいっぱい貰ってたじゃん!お腹壊しちゃうよ!」

可愛さに心を奪われながらも、理性と葛藤して遊夢ちゃんから距離を取る。だが相手も負けじと僕の後をてちてちとついてくる
『ミューン…ニョーン』
「わあ!もお、ダメだってば!!」
皆に笑われながら僕は遊夢ちゃんから逃げてた
教室の中でちょっとした鬼ごっこが始まった




午後の授業…ちょっと体力使っちゃったから眠いなぁ…
眠気と葛藤しながら勉強に食らいついていた

「そういえば早稲田さんが静かですねぇ」

「寝てるのかもね」
「いないよー?」
ケージの中をちらっと見たカルマ君が外れた空気で言う




















「「「「いない!?」」」」

「脱走か?」
「まだそう遠くにはいない筈!」

皆必死になって机の下などを物色する


その時、僕のカバンがモコっと動いた気がした。慌ててチャックを開けると、すっぽり入った彼女がいた

「いた…」

「マジか…」
「よかった~」
そういえば猫って狭いところが好きなんだっけ。放す時には気を付けなくちゃ

「もう……そんなところに入ってると、家に連れて帰っちゃうよ?」
そういって顎を撫でてあげるとボボボと喉を鳴らした。カバンから出た遊夢ちゃんはそのまま僕の膝でお腹を上にして寝てしまった
「え?」

「へそ天だ…!」
珍しいことなのか何人かが写真を撮ってた
お腹を撫でてあげると気持ちよさそうな顔をする。いつもあんなに暗い顔してるからこっちまで安心して心地よくなってしまう

「ヌルフフフ、動物に振り回される日もたまにはいい物ですねぇ」
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