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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第16章 ご都合呪いの時間(番外編)


「今日の訓練はここまで。解散!」
「ありがとうございました!」

チャイムと同時に僕らは散らばった

「やっとお昼かー」
「おなか空いたね」

杉野とそんな話をしていると忘れ物に気付いた

「あ、遊夢ちゃん忘れてた」
「危うく置いてくところだったな」


さっきの木陰に駆け寄り、ケージから出してあげると…
何とまあ、真っ赤な顔して舌を垂らしながら犬のようにハアハアと肩で息をしてた

「うわっ!」
「運動したみたいにぐったりじゃねーか!熱中症か!?」
「いや、日陰に置いていたし、風通りもよかったからそんな筈は…」
「く、倉橋さあああああん!!」







「あー、脱水だね」

「脱水?」

「定期的に水分を摂取しないとダメなの。人間と一緒。飼ってる猫とかって、サーバーとかに自分で飲みに行くでしょ?」

「そういえば今朝から何も飲んでないな…」

「取りあえず、お水を飲ませてあげればいいんだね?」

「うん、できれば飲ませるんじゃなくて、自発的に飲ませてあげるの」




「遊夢ちゃん、お水だよ」

僕の持ってたミネラルウォーターと、何故か殺せんせーの机の上に置いてあった酒皿を拝借して水分を配給

遊夢ちゃんはそれを認識すると頭を皿に下げて舌で器用にぴちゃぴちゃと飲みだした

「「「「(可愛い…)」」」」

普段敬語で物静かな遊夢ちゃんがこんなに愛らしい姿を見せるなんてみんな夢にも思わなかっただろう

「それにしても相変わらずの無表情で不安になる。勝手に死んでそう」

「あはは…」
中村さんの感想に僕は苦笑いするしかなかった













「猫って何食べる?」
「ささみ?」
「誰も持ってないでしょw」
みんなで遊夢ちゃんにあげるご飯を考えつつも、色々なものを女子から餌付けされている遊夢ちゃん

微笑まし気にそっちを見ていると、遊夢ちゃんが動き出した。
「ん?どうしたの?早稲田さん」
膝に乗せていた茅野が聞くと、遊夢ちゃんは口元に鼻を近づけピスピスと動かした、。ひげが動いているので遠くでもよくわかる

「わ、なに~」
「もしかして美味しい匂い反応してるのかも」
「カエデならいつも食べてるプリンの匂いかもね」
「え!?だ、だめだよ!猫は食べられないし、私のプリンだもん!」
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