• テキストサイズ

私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第14章 過酷リスニングの時間


六時間目のチャイムが鳴り、ウキウキな先生にナイフを当てながら磯貝さんが話しかける

「ごきけんですね殺せんせー。このあと何かあるの?」
「ええ、ハワイまで映画を見に行くんですよ。先にアメリカで公開するので楽しみにしていたんです」
「うそぉ、ずるーい先生」
「ヌルフフフ、マッハ20はこういう時のためにこそ使うのです」

先生は中村さんに映画雑誌を見せた。英語で書かれていたが同じポスターが近場にも貼られているので知っている

「『ソニックニンジャ』? あ〜あのヒーロー物ね。明日感想聞かせてー」

その時、赤羽さんと渚さんが先生の方を向いた気がした



「先生、僕達も連れてってよ」
「ちょうど見に行こうって話してたとこなんだよね」
「おお、二人もこの映画が好きで?」
「まあね、気になる監督さんが作ったって聞いてたから」
「楽しみにしてたんだ!」
「渚さん!私も連れてってください!」
「うわっ!律!なんで僕の携帯に…」
「学習により、皆さんのデバイスに移れるようになりました!モバイル律とお呼び下さい!」

映画の話題で盛り上がる二人はとても生き生きとしていた。先生に話すと、連れてってくれるそう

『(いいなぁ…こういう、友達と放課後にお出かけしたりするの)』

そんな二人を私は恨めし気に見た。

『(ってそんな友達もいないか。帰ろ)』
一瞬でもそんな考えをした自分に呆れ、荷物をまとめようとした



「あ、早稲田さん。ちなみに貴方は強制ですよ」

『え?』


「日本語翻訳されている映画ですからB級ものよりも見やすいかなと」

『いや、私その映画について何も言ってませんよ!?』

「貴方は洋楽を学びたいのでしょう?そのためには英語力が不可欠!
これは講習の一環でもあります!」

『ええ…』

「へえ、ひつじちゃんって洋楽学びたいんだ」

「まあ、でも集会であれだけ上手い歌、歌えるもんね」

「え、それ聞いてない」

「カルマ君はサボるからじゃん」
何か余計な事もばれた気がする




「という訳で出発しましょう!」

うん、いつもの私達が先生の服に入るフォルム、三人バージョン。この移動地味に疲れるから嫌なんだよな。それを知らない二人は何食わぬ顔でもぞもぞ入っている


『今思ったけどこれやっぱグッズなんだよな…ラバーストラップにありそう。(ボソッ』

「何の話?」
/ 409ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp