第13章 LとRの時間
烏丸先生はそのまま無視して行ってしまった
「…………ビッチ先生…」
「さすがにそれじゃ俺等だって騙せねーよ」
そう言ってイリーナ先生を立たせる磯貝さんと三村さん
「仕方ないでしょ!! 顔見知りに色仕掛けとかどうやったって不自然になるわ!! キャバ嬢だって客が偶然父親だったらぎこちなくなるでしょ!? それと一緒よ!!」
「「「知らねーよ!!!」」」
『そうは言っても…もしイリーナ先生が初対面で本気で仕掛けに来たら、私達でもきっと見抜けないのでは?
今こう言えるのは私達が彼女の本性を知っているからですよ」
「遊夢…分かってくれるのね!」
『けど!!本題のターゲットには効かないことが分かったんです。どうするんです?
第二の刃を出す時ではないんですか?』
私の質問に彼女は黙って対先生用ナイフを握っただけだった
お昼休み、私は今日も一人机でご飯をたべていると…
「お、見てみ。渚君あそこ」
「…ああ、烏間先生よくあそこでごはん食べてるよね」
赤羽さんと渚さんの声が聞こえた
外を見ると烏丸先生が庭で一人昼食を取っている。同志だ…!と信頼の目で見つめていると
「その烏間先生に近付いていく女が1人」
と、赤羽さんがあえてナレーションを入れる
イリーナ先生…やる気だ…
ここからは会話は聞こえないが、教室にいるみんなその二人に釘付けだった
烏丸先生はナイフを隠さず、ずんずんと近づいてくるイリーナ先生を相当警戒しているようだった
その時、先生がふわっと上着を脱ぎ捨て、自慢の白い肌がばっちり見える露出の激しい黒服になる。
「またモーションかけてんな。」
「無理じゃね?」
イリーナ先生は烏間先生が座っている木の幹をぐるりと回った。烏間先生が面倒くさがるように座り直す。そこからもう既に勝負は始まっていた
イリーナ先生が、軽く一歩踏み出した時、烏丸先生が警戒を強めた時…
烏丸先生は吹っ飛んだ