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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第13章 LとRの時間


次の日。今日の体育の時間は木の上に登って先生に模したボールにナイフを当てる授業。ペアになってもう片方が相手のバランスが取れているかチェックする。


「うん、ちゃんと振れてるよ!」

運で片岡さんとペアになった私は木の上で棒を振った。烏丸先生の配慮からナイフが握れない状態で木の上に立ち続けるのは困難だろうからということで私はナイフの代わりにゴム製のポールを使うことになった


それはありがたいのだが、一つ気になることが…



烏丸先生の背後を対先生用ナイフを持ったイリーナ先生と堀が深いおじさんが狙っている

「先生、あれ…」

「気にするな、続けてでくれ」


あと先生はなぜ今更変装を?


烏丸先生がため息をつくとみんなを集合させ、事情を説明する。
どうやらあのおじさまは元殺し屋でイリーナ先生の師匠。名前はロヴロさんというらしい。
先生をなかなか殺せないイリーナ先生にしびれを切らし、教師を解雇させようとしたが

先生が止めたらしい。「彼女こそ、この教室にふさわしい」と

まあ何だかんだあって、どちらが烏丸先生にナイフを当てられるかあの二人で対決しているらしい。勿論この教室に留まる権利をかけて


「これは中々熱い展開…」
マンガ好きの不破さんが呟く

「というわけだ。迷惑な話だが、君等の授業に影響は与えない。普段通り過ごしてくれ」

「まあ、烏丸先生が言うなら…」
皆はお互いに苦笑いをして受け流す


「今日の体育はこれまで、解散!!」

「ありがとうございましたー」


授業が終わり、各々教室に帰ろうとすると…

「カラスマ先生、おつかれさまでしたぁ〜ノド乾いたでしょ、ハイ冷たい飲み物!!」

声をかけ、水筒を差し出すイリーナ先生と、見るからに怪しい……という目の皆。
「ホラ、グッといってグッと!! 美味しいわよ〜」

「おおかた筋弛緩剤だな。動けなくしてナイフを当てる」
烏間先生が言うと、イリーナ先生はぎくりとした様子で冷や汗をかく

「…言っておくが、そもそも受けとる間合いまで近寄らせないぞ」

「あ、ちょ待って、じゃここに置くから…」
そういってコップを地面に置こうとするが、見事に転ぶ。自然な足さばきを見るとそれが暗殺のテクニックということもこれも演技ということが分かる

「いったーい!! おぶってカラスマおんぶ〜~!!」

『先生…まるで子供だよ…』
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