第12章 人工知能の時間
「庭の草木も緑が深くなっていますね、春も終わり近付く初夏の香りがします!」
うん…いつ見ても凄い、この変貌。先生もまた変なところにお金使っちゃったね…
先生の全財産が20万弱だってこともちゃっかりばれてる
「たった一晩でえらくキュートになっちゃって…」
「これ一応…固定砲台…だよな?」
皆も今もなお信じられないらしく現状整理を口に出す
「何ダマされてんだよおまえら、全部あのタコが作ったプログラムだろ。愛想良くても機械は機械。どーせまた空気読まずに射撃すんだろポンコツ」
横から口を出した寺坂さんの方向へ固定砲台の向きが動いた。…って、動けるの?しかも自動式?
「……おっしゃる気持ちわかります、寺坂さん。昨日までの私はそうでした。ポンコツ…そう言われても返す言葉がありません」
彼女は肩を震わせてぐすんぐすんと泣きだした。うーん…人間のような自然なジェスチャー…ここまで来ると感心の意に値する…
「あーあ、泣かせた」
「寺坂君が二次元の女の子泣かせちゃった」
「なんか誤解される言い方やめろ!!」
「いいじゃないか二次元…Dを一つ失う所から女は始まる」
「竹林お前それ初セリフだぞ!?いいのか!!?」
「でも皆さんご安心を
殺せんせーに諭されて…私は協調の大切さを学習しました。私の事を好きになって頂けるよう努力し、皆さんの合意を得られるようになるまで…私単独の暗殺は控える事にいたしました」
「そういうわけで仲良くしてあげて下さい。ああもちろん、先生は彼女に様々な改良を施しましたが、彼女の殺意には一切手をつけていません」
彼女が右手を軽く上げると、本体の中に仕込まれていた銃がジャキッと持ち上がった。昨日と全く同じタイプの銃だ。だが綺麗な微笑みで銃を振り上げているのだから若干怖い
「先生を殺したいなら、彼女はきっと心強い仲間になるはずですよ」
先生は不敵な笑みで助言をした