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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第12章 人工知能の時間


今日一日中彼女による襲撃は続いた。


先生はよけることで精いっぱいだし、勿論授業なんて場合じゃない。


この子はきっと先生を殺せると思う。でも……






「2発の至近弾を確認、見越し予測値計測のため主砲を4門増設し、続けて攻撃に移ります」




チュンッ


パチュン



これが続くのは困る!!!







授業が終われば机の下はBB弾だらけ。
「…これ…俺等が片すのか?」





「掃除機能とかついてねーのかよ、固定砲台さんよお」

砲台さんは授業以外は動いていなく、画面は真っ暗だ。流石AI。必要以上の事はしようとはしない


「チッ、シカトかよ」
「やめとけ、機械にからんでも仕方ねーよ」

吉田さんがもっともなことを言って村松さんのことを止めてくれた。みんなも嫌悪の目で動かない箱を見た。50分間、雨を凌ぐように顔の前をノートなどで隠す、勿論物は雨なんかじゃなく小さな弾なので普通の人でも目に入ると危ない。私達は勉強時間を浪費した訳だ。



開発者は確実にこの教室のことを考えていない。いや、念頭には置いているのだろうけど無視している、どうでもいいと思っている。だからこそ機械の彼女にどうこう言ってもどうにもならない




『はぁ…これを作った奴の顔が見てみたいですよ』

私はほうきで弾を集めながらため息交じりに呟いた








翌日、状況は少し変わった
「朝8時半、システムを全面起動。今日の予定、6時間目までに215通りの射撃を実行。引き続き殺せんせーの回避パターンを分析…」

彼女は言葉を止めた。それもそうだ、彼女の本体はガムテープでぐるぐる巻きにされていたから。
動かそうとしてもギシギシと音を立てるだけで銃を出すことができない

「…殺せんせー。これでは銃を展開できません。拘束を解いて下さい」

「…うーん、そう言われましてもねぇ」
ポリポリと頭をかく先生。どうやら先生の犯行だと思っているらしい

「この拘束はあなたの仕業ですか? 明らかにわたしに対する加害であり、それは契約で禁じられているはずですが」

「違げーよ、俺だよ」

片手にガムテープを持った寺坂さんは続ける

「どー考えたって邪魔だろーが。常識ぐらい身につけてから殺しに来いよポンコツ」

「…ま、わかんないよ機械に常識はさ」

「授業終わったらちゃんと解いてあげるから」
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