第11章 修学旅行の時間
『……』
「お、ひつじちゃんもサボり?」
『修学旅行にサボるとかあるんですか?』
宿を抜け出して、近くにベンチにたそがれていたら赤羽さんに捕まった
『暗殺の方はどうしたんです?』
「あんな突発的な戦略で当たるわけないじゃんw」
『…ふっ。それもそうですね』
「飲む?」
『どうせ既に貴方が飲んだ物でしょう?結構です』
『……』
「………ふはっ、何消えそうな顔してんの?」
『あ?』
ぼーっとしてたら頬を突かれ正気に戻った
「月見て物思いにふけるなんてかぐや姫じゃん」
『ははは、別に誰も迎えにゃ来ませんよ。
ただ、帰りたくないなって…』
『だって親を忘れられる旅行って最高じゃないですか』
「確かに」
『この先は受験。大きな行事がここで終わってしまうのは名残り惜しくて』
「楽しかった?」
『ええ、一年の時以来です、こんなの』
「…安心しなよ。あのタコがいる限り、この一年は最後まで退屈しない。
覚悟しといた方がいいよ」
『はは、退屈しない…か』