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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第11章 修学旅行の時間


と、その時ガラリと先生が戻って来た

「一人一冊です」
ドンと置かれたのは”修学旅行のしおり”と書かれたデカ本

『うわ出た』

「重っ…」

「何これ殺せんせー?」

「修学旅行のしおりです」

「辞書だろこれ!!」

「イラスト解説の全観光スポット、お土産人気トップ100、旅の護身術、入門から応用まで。昨日徹夜で作りました。初回特典は組み立て紙工作金閣寺です」


「どんだけテンション上がってんだ!!」




同じ班には倉橋さんに他に木村さんと三村さん、岡野さんがいた。

「にしても京都で暗殺かー。地形を知らないのはおれたちも同じだし、どこ狙えばいいかな?」

「依頼した相手はスナイパーだって言ってたよね?」

「だとしたら開けた場所が狙いやすいか…」


みんな地図を見ながら適切な場所を探す。

「んーでも住宅街は入り組んでて狙いずらそう」

『それに先生も狙われることは知っているはず。これは他の場所でも言えることですが、あからさまに開けている場所では既に察知される可能性がありますね。スナイパーの命は相手に悟られないことですから』

「殺せんせーにばれないで撃ち落とせる開けた場所か…」

「あー…余計わかんなくなってきた」

『…』

「早稲田さん、どうしたの?」

『……………もはや作ってしまうのはどうでしょう?』

「え?」

「地形を?」

『入り組んだ場所でも撃てる”隙”は必ず出るはず…私達ができることはそれを一秒でも長く持たせること。

その隙、その瞬間に開けた場所を私達が作ればいいんです。あとはプロの腕にお任せです』


「「「「それだ!」」」」
















いよいよ当日。

『ん-…親もいないから暫く羽を伸ばせそうです』

「そうだね!遊夢ちゃんのところは結局どこに行くことになったの?」

『嵯峨野のトロッコ列車です。場所は…内緒です』

「ははは」



東京駅に着けば既にみんなはいた
「あ、早稲田さん、こっちこっちー」

遠くで倉橋さんが手を振ってた
渚さんにじゃあと言ってそっちに駆け寄った

「うわ…A組からD組まではグリーン車だぜ」

「うちらだけ普通車。いつもの感じね」
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