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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第10章 特別講習の時間




アメリカまでまたマッハで移動。ゴスペルって一体何だろう



見た目、さっきの聖歌隊と一緒のように見える。一つ違うことはメンバーのほとんどが黒人であったこと








歌い始めればそこはコンサート会場になる
先ほどのような質素な歌い方ではなく、音楽というものを意識した大胆な歌い方





『すごい…』

「ゴスペル、一般的にはブラック・ゴスペルと呼ばれているものですが聖歌とほぼ同じ意味を成しています。違うのはアフリカ独特のリズム感ですね。当時ヨーロッパに植民地として支配されていたアフリカやアメリカ先住民などは厳しい労働環境に苦しんでいました。
そこで少しでもその苦しみから逃れようと、キリスト教の教えと陽気な音楽を融合させてこのような独自の形態が生まれたんです。これを始めとして、音楽は融合するものとなり、ジャズ、ロックなどが生まれ、現代のポップカルチャーの時代にいたる、という訳です

…って早稲田さん?聞いてます?」



一目で見ればわかる。彼らの愛や情熱、力強さ。自分たちは負けないという勇ましさ。

そうだ、私はこれが欲しかった。

ただ綺麗に伸びやかに歌うだけじゃ駄目だ。メッセージを歌詞だけに任せちゃ駄目だ。
私は歌うことで伝えたいんだ


『先生…』

「にゅ?」

『私…洋楽を学びたいです…!』

「ヌルフフフ、いい目をするようになりましたねぇ」














とまあ本日の講習が終わり、日本に戻って来たわけだが…

『帰ってきてカラオケ…ですか?』

「いいじゃないですか、これもまた勉強です」

『先生とカラオケ行く人なんて何処にもいませんよ…』




当然私は歌う訳にはいかないので、半分酔っ払ったみたいな先生に付き合った

「ニュニャアアア!これで60点とは納得いかん!!」

『はあ…


そもそも先生趣味と音程が合ってませんよ』

「な、何故?」

『人には声の出せる限界が必ずあるんです。まあ、頑張ればいけなくもないのですが、それにはそこまでに息継ぎなどの”出せる形態”を完璧に準備しなくちゃいけないんです。先生にはそれが多すぎます。気を抜けば外れますし、本気でやれば当然疲れます。音程と趣味は別物なんですよ
それと、あとは原曲をひたすら聞く。曖昧に思うパートはできるだけ出さない!』

「し、師匠!」

『やめてください』
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