第10章 特別講習の時間
『なんですかその特別講習ってのは…』
当日、一人で旧校舎に来た私は先生に尋ねる。服装は指定されなかったので私服で
「まあまあそう固くならないで下さい」
『こんな分厚いパンフレット貰ったら身構えますよ』
前日に渡された”教科特別講習スタートブック”なるものを渡されたが…前章ってレベルじゃない…!
「この講習は様々な体験を通して学校で学ぶ教科に親しみを持ってもらうための活動。これは導入編です」
『今後もやるんですかこの活動!?』
分厚いパンフレットに再び目をやり気が重くなる。だが逃げられる気もしないのでおとなしく従う
「さて、出発するので先生の服の間にどうぞ!」
『まさか…このまま飛ぶんですか!?』
「はい、行先はヨーロッパ方面なので。ああ、死なない程度に加速しますから大丈夫」
『いやああああああああ!』
皆さん…私はマッハの怪物と共に移動しました…
『はーはー…』
結構体力そぎ取られる
「ほら、着きましたよ」
先生が指さしたのは…
『…教会?』
「おっと、ミサの時間が始まってしまいますね。急ぎましょう」
教会ではお祈りが行われていた。神父さんが神様の偉大さについて語ったり、聖歌隊の人たちが歌を歌ったりと、静かで厳かなものだった
『先生、これで一体何を学ぶんですか?』
「貴方は音楽が好きだと言っていましたね?音楽一つにとっても様々な教科とつながりがあるのです」
『?』
「例えば今歌われている聖歌、グレゴリオ聖歌といいましてね、世界で初めて作られた聖歌なんですよ。
そして実質、世界で初めての作曲された音楽であった」
『…!?』
「これには面白いところがいくつかありまして。これが当時書かれた楽譜なんですが…」
『何これ…確かに楽譜だけど…記号が色々なさすぎる』
「昔は複製の技術が拙かったので感覚で聖歌隊に教えていたので、このように必要最低限の情報があればよかったんですねぇ
そして、今じゃ考えられないかもしれませんが聖歌隊の人はすべて男性だったんです」
『嘘…!?ソプラノパートはどうするんですか!?』
「声変わりのしていない子供の男の子を募って合唱していたようです。昔は外国でも女性に参政権がないのがほとんどでしたから、神の祭りごとに女性が加わるのは邪道だと考えられていたんです」
『うわ…やな感じ』