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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第9章 見えない戦いの時間


ぴしゃりと軽く閉まるドア。

「…? 急にどーしたんだ殺せんせー」
「さぁ…いきなり不機嫌になったよね」

理由は分からないけどこれは分かる。何か先生の価値観に引っかかった…!




校庭に着けば先生がサッカーゴールを片付けて端へ追いやった。………あれ私達十人がかりで運んでるのに?

「何するつもりだよ殺せんせー」
「ゴールとかどけたりして」


皆が来たことを確認すると先生はイリーナ先生に質問した

「イリーナ先生。プロの殺し屋として伺いますが」

「……何よいきなり」

「あなたはいつも仕事をする時…用意するプランは1つですか?」

「…? …いいえ。本命のプランなんて思った通り行く事の方が少ないわ。不測の事態に備えて…予備のプランをより綿密に作っておくことが暗殺の基本よ
ま、あんたの場合規格外すぎて予備プランが全部狂ったけど。見てらっしゃい次こそ必ず」

「無理ですねぇ。では次に烏間先生」

華麗なスルーをした後、次は烏丸先生

「ナイフ術を生徒に教える時…重要なのは第一撃だけですか?」


「…………第一撃はもちろん最重要だが、次の動きも大切だ。強敵相手では第一撃は高確率でかわされる。その後の第二撃、第三撃を…いかに高精度で繰り出すかが勝敗を分ける」

「結局何が言いたいん…」

「先生方のおっしゃるように、自信を持てる次の手があるから自信に満ちた暗殺者になれる。

対して君達はどうでしょう。
『俺等には暗殺があるからそれでいいや。』…と考えて、勉強の目標を低くしている。それは…劣等感の原因から目を背けているだけです」

『…!』
確かに…暗殺がどうこうの前に私はE組に落ちた時点で志望校はもう行けるところでいいと舐めた考えをしていた…
その胸の内を見抜かれた気がしてドキッとした

先生はその場でオルゴールのようにくるくる回り出すがそのままスピードが速くなる。それは砂煙と共に風をまとい出す

「もし先生がこの教室から逃げ去ったら?
もし他の殺し屋が先に先生を殺したら?
暗殺という拠り所を失った君達には、E組の劣等感しか残らない」

「ちょ、これやばくない……!?」
みんな砂が目に入らないように目の前を手で覆う









「そんな危うい君達に…先生からのアドバイスです

第二の刃を持たざる者は…暗殺者を名乗る資格なし!!」
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