第9章 見えない戦いの時間
暗殺教室。今日も始業のチャイムが鳴る
「さてと、それでは…
「「「「「はじめましょうか」」」」」
!?
『せんせー…なんか増えてる…?』
それも単なる分身とかじゃなくてそれぞれが教科名のハチマキを巻いている
あー…受験期に教師の自分が勝手に盛り上がっちゃうタイプか
「学校の中間テストが迫ってきました」
「そうそう」
「そんなわけでこの時間は」
「高速強化テスト勉強をおこないます」
「先生の分身が1人ずつマンツーマンで」
「それぞれの苦手科目を徹底して復習します」
これ…それぞれで喋れるんだね…
便利だけど教室はまるで竜巻の中のようで落ち着かない
「下らね…ご丁寧に教科別にハチマキとか
って何で俺だけNARUTOなんだよ!!」
「寺坂君は特別コースです。苦手科目が複数ありますからねぇ」
ってことは私も…?
隣を見ると…
なんか赤帯の麦わら帽子とチョッキを着てた
あれか、先生は意外とメタ発言とかをためらわない感じか?
『…………先生…普通の服の方が落ち着きます』
「ニュニャッ!?しょ、承知しました!」
「ふむ、やはりどの公式かが分かっていれば解く技量はあるようですね。それならまずはパターンを覚えましょう」
『パターン?』
「はい、どの公式にも出題のタイプが存在するのです。例えば面積なら何か紙類を折る問題、点がそれぞれ違う速さで動き、面積が変化する問題」
『うわぁ…やな奴』
「同時に出発すればいいものをわざわざ時間をずらして、しかも交通手段を別々にしたがるひねくれた兄弟の問題」
『なんか先生の不満も混じってない?』
だが分かりやすい。しかも一人一人違う教え方をしてくれるのでそんじょそこ等の塾や学校の教え方よりいい
と…その時
『わ!』
先生の顔がぐにゃりと曲がった
「急に暗殺しないで下さいカルマ君!! それ避けると残像が全部乱れるんです!!」
「意外と繊細なんだこの分身!!」
「でも先生、こんなに分身して体力もつの?」
「ご心配無く」
渚さんの質問にそのまま答える
「1体外で休憩させていますから」
『「それむしろ疲れない!?」』