第3章 始業
私たちのこの奇妙な学校生活が始まったのはつい最近。
発端はこの事件だった
「月が…月の約60%が崩壊し蒸発してしまいました!!私達はもう三日月しか見ることができないというのでしょうか!?」
「初めまして。私が月をやった犯人です。皆さんの担任になったのでどうぞよろしく」
そして犯人と名乗る怪物はやって来た。怪物というには顔があほ過ぎて冷静になれなかった
「防衛省の烏丸だ。突然押しかけて申し訳ないところだが君たちに頼みがある。
こいつを殺してほしい」
「!?」
「幸いこいつは君たちをなめ切っている。見ろ!緑のしましまの模様になったときはなめている顔だ」
(どういう肌だよ!!!)
どういう訳かこいつは一年後に地球にも爆破を計画しているらしい。最高速度はマッハ20というのだからそりゃあ防衛省の方々でも対処できなかったらしい。烏丸さんが丁寧に眉毛の手入れをされてた…
「ま、それでは私も面白くないのでね、私から提案したんです。殺されるのはごめんですが椚丘中学校の三年E組の担任ならやってもいいと」
(なんで!?)
『地球の危機にこの条件は認めざるを得なかった…(ボソッ』
「その通りだ、こちらも生徒には危害を加えないことを条件に承諾した。奴がここにいる限りその隙は必ず現れる。君たちにはあわよくばその隙をついて欲しい。」
しかし、こちらもいきなり暗殺などと言われてもイエスとは言えない。何しろ私達はごく普通の中学生。並外れた体力などない。この計画は焼け石に水なのでは?
「成功報酬は百億円」
烏丸さんがバッサリ言った。桁が違い過ぎる。老後の生活まで保障されるような額だ
「当然の金額だ、こいつを殺すことは直接地球を救うことなのだから
こちらから暗殺用のナイフや銃は渡す。君たちには危害はない安全なものだ」
「そういうことです。では皆さん残りの一年を有意義に過ごしましょう」
全く面倒ごとを押し付けられたものだ