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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第3章 始業


「昼休みですね。先生ちょっと中国まで麻婆豆腐食べに行ってきます。暗殺希望の方は携帯で呼んでください」

ビュンと音速と共に怪物は姿を消した

「えーっとマッハ20だから…」

「麻婆豆腐の本場、四川省まで20分ぐらい…」

この非日常的なこともそうだが漫画のようなことが今目の前で行われていることも異常だ

「ていうかあいつ何気に教えるの上手くないか?」

「わかるー!私も放課後暗殺に行ったときについでに数学教わってさー次のテスト成績良かったもん」







「ま、でもさ、所詮俺らE組だし、頑張っても仕方ないけど」


そうだ、非日常的なのはE組だけじゃない。この狂気的な空気で私達は生きる

元々みんなどこか狂っていたに違いない。普通の穏やかな気持ちで生活できないのだから

思い出せば痛いことばかりだ







ーーー

『なんで…やめてよ…みんな…お父さん…

い、いやッ嫌だ!!やだッ!!

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!』

ーーー




痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い





「遊夢ちゃん…?」

ふと我に返ると隣には青空のような混じりけのない綺麗な髪の毛、二つに結った髪型と中性的な顔たちが特徴的な

『…渚さん…』

「どうしたの?」

『え?』

「いや、その手」

気づけば対先生用ナイフを自分の手首に近づけていた



『あ…あ…ははは、まさかこれでは切れませんよ。ちょっとやってみたかっただけです』

「…前のこと思い出してたの…?」

『……はあ、つくづく私を気にかける貴方の精神は分かりません…』

「心配なんだよ」

渚さんとは前に同じクラスになったことがあるよしみで時々話している。偶然にもE組に落ちた時期も同じ


『……これを抱えるには中学生には重すぎます…』

吐き出した言葉はガラの悪い声でかき消される

「よお、渚。暗殺の計画練ろうぜ」

寺坂さん。この学校の指折りの不良の一人と言ってもいいだろう

「…うん」

『大丈夫ですか?カツアゲに会ったら先生に言うんですよ』

「ははは…多分…大丈夫」



『はあ、嘘をつく人は嫌いじゃないですけどそれはずるくないですかね?』
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