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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第46章 卒業の時間


「心臓、ネクタイの下だったよね…?
最後は誰が……」



「みんな、お願い。





僕に殺らせて」



そう言って渚さんが近づいた



「…ここじゃ渚が首席だ。
誰も文句は言えねー」


その申し出は誰も意義を唱えなかった




彼が先生にまたがり、いよいよ”それ”が始まってしまう。変に筋肉が硬直してしまう


心臓を狙おうとネクタイをどかすが…


「そのままにしておいてください。貰ったあの時…穴をあけてしまったままなので」

それを聞いてそっとそれを閉じる





「皆さん、いよいよですね。

本当は君たちに伝えたいことは山ほどあるのですが…今はそんな時間もありません。詳しい内容は卒業ガイドブックに全て載せてあるので確認して下さい」
あの分厚い本もあれが最後なのか。
最後……

「最後に、出欠を取ります…


名前を呼ばれたら、先生の目を見て、大きな声で返事をして下さい」




全身に緊張が走る。


これで、最後…



「っと最後に先生方に挨拶をしなくては…」
『((ズル…』

そう言って首だけなよなよと首を動かした

「混ざらなくていいんですか、イリーナ先生。賞金獲得のチャンスなのに」

「……私はそれ以上にここで大切なものを沢山もらってきた。この教室は、あんたとガキたちの宝だわ」

「そうですか。

烏丸先生、
こうやって彼らが成長できたのも貴方方の尽力のおかげです。今後も、変わらず彼らのことを見守ってやって下さい」

「…勿論、彼らに危害が加わらないように最善を尽くす。


さようならだ、殺せんせー」

「ええ」
最後に話すことができて先生は満足そうだった


「さて皆さんお待たせしました。気を取り直して出席を取ります」

と、また体が跳ねてしまった

「では、行きます…」



『…』
ぎゅっと目を瞑る



「………



まさかここで早退した人はいませんよね?もし返事なかったら先生自殺しますからね!?」

「「「「はよ呼べ!!」」」」


またこけた。

本当に、大事な時にこの人は…




「では、
磯貝悠真君…」

そうして磯貝さんをはじめとした計30人の名前が、ゆっくり呼ばれ始めた




ここで学んだこと、思い出がぽつぽつと光り始める



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