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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第45章 自分たちの時間


「戻りなさい茅野さん!!君では太刀打ちできない!!」
『茅野さん!!』

「……ずっと、後悔してたんだ…みんなの学校生活無茶苦茶にしちゃったこと。
だから、せめて助けさせてよ。殺せんせーのこと」

「とんでもない!あの時間は無駄ではなかった!!みんなが大切なことを知れたから…あっ!」

抑えていた触手が先生を跳ね飛ばす。視線が逸れたのを合図に茅野さんは駆け出した。





嫌だ、やめて。





彼女の長い髪の毛がゆっくりと揺れる。私の足も同時に動き始めた

―――

『ただいま………

お母さん…?』

『…ねえ起きてよ…体冷えるよ…』




『なんだよ、…

”ごめんね”って…

どういう意味なのか教えてよッ…』
―――



馬鹿、


馬鹿、


馬鹿、




『そんなの…償いになんてならないッ!!!!!』








((ドスッ





ピチャッ…









生臭い。


あの時の…ニオイ






「ハハハ!!俺の前で死にやがった!姉妹揃って本当に迷惑な奴らだな!!
ペットとして飼ってやってもよかったんだが…穴の開いた阿婆擦れには興味なくてね」





先生の顔が、どんどん黒くなっていく。先生、あの時も、ああやって怒ってくれたよね…




「そうだ、触手は感情を露わにすると黒く変色する!それが本来の姿!お前はそれで今まで黄色く阿保面をしてた自分を否定したことになる。実に満足だ。
そして自分を否定した状態で打ち勝つ。

さあ、最後の攻撃だ」




「みんな!一旦避難しよう!!このままじゃ僕らも巻き込まれる!」
渚さんが目の前の茅野さんの遺体を抱えて言った

足が、動かない。あの特有の鉄の匂いで眩暈がしそうだ


「ひつじちゃん、逃げるよ」

『…か、るま…』

「大丈夫、大丈夫だから」







ぼんやりとした意識で先生の最後の一撃を見ていた。二代目も相当なパワーを出していることは分かった。

でも、

先生は、色を全て力に変えていた。














先生は、全ての自分を愛していた。どれも、生徒との大事な思い出だから。

段々それが光に変わっていく。


『きれい……』


「教え子よ、せめて安らかな

卒業を…」




花火を…


夢を見ているようだった…
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