第45章 自分たちの時間
一撃一撃がソニックブームを生む
援助の隙も無い戦い
動きは見えないが、これだけはなんとかわかる
先生が圧倒的に押されている
二対一でしかも一体の能力が上回っている。このままじゃ先生がやられるのも時間の問題だ。何とかしないと、と思考を巡らせていると…
『…あれ』
先生の動きが、何か変だ。別にふらついているというわけじゃないんだけど…よく目を凝らしてみると…
受け流し始めてる…?
先生の触手を器用に使って攻撃を弱体化させている
「フン、それで勝てたつもりかモルモット。
思い出せ、何故我々が今まで生徒がここに来るまで生かしていたのか」
「いけないッ!」
シロの合図と同時に二代目の矛先が私たちに向く。
でかい、怖い、無理だ。
そんなことを考える暇もなく、二代目の攻撃が…
((ズドンッ
私たちは攻撃を受けなかった。つまり
前にいる先生がすべて…
「「「「殺せんせー!!」」」」
先生の体はもうボロボロだ。もうあとどれくらい持つのかわからない。なのに…
「へばるなよ、次が来るぞ…」
((ズドンッ
先生はそれでも動いて私たちをかばっている。それが”先生”の
仕事だから
無理だよ、耐えられるわけないよ。
気づいたら私は夢中で叫んでいた
『先生もうやめて!!先生が死んじゃう!!私たちのせいで…
私たちが足手纏いだかー「ンなわけないでしょう!!!」
私の声を先生が遮った
「正解か不正解などの問題じゃない!
彼らは命がけで私を救おうとし、障害を乗り越えて、ここに会いに来てくれた!その過程がその心が教師にとって最も嬉しい贈り物だ!
弱点でも足でまといでもない!生徒です!
全員が、私が誇れる生徒です!」
どうしよう…感傷に浸っている場合じゃないのに…
涙出そう
でも状況は変わらない。先生が…
((パン!
銃声が聞こえた。
それは明らかに敵のものじゃない
「あのバカ…」
「何やってんだ!」
「茅野さん!!?」
彼女が先生の前に出る
「私が奴を引き付ける!殺せんせーはどこかで回復を!!」
「何を…!!」
二代目が触手を向けるが、何とかナイフで捌く
「ほう…流石は元触手持ち。動体視力が残っていたか」