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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第45章 自分たちの時間


結局あれからゴンドラが下に降りるまで景色なんかそっちのけでキスし続けてた。降りる頃には二人とも汗びっしょりで職員さんに何かを察された。
だってあんなに吸い込まれるような目で見つめられてたんだもん。耳元で「いい?」って妖美な声で囁かれたんだもん。

仕方ないよね!!!(ヤケクソ)



「そ、そろそろ帰ろっか」
『は、はい』
渚さんが変な作り笑いをして手で扇ぎながら言ったその時だった。彼のポケットからバイブが鳴る

画面を覗いてみると前原さんからだった。珍しいなーと思いながら彼が通話ボタンを押したのを確認した

「渚!!一旦学校来てくれ!!」

「どうしたの?そんなに慌てて…」






「先生が、殺せんせーが!!」




「『え…』」












慌てて電車に飛び乗り、最速で学校へ辿り着きみんなと合流。何故か校門は人でごった返していた。しかも殆どがマスコミ関係の人。文化祭でもこんなことはなかった

「遊夢ちゃんあれ!!」

『……

なに、これ』


山肌の間にポツンと見える旧校舎が何かのレーザーによって囲われていた。今日は休日。校舎に生徒はいない筈だ。ってことは…




政府だ。それしかない


囲ったってことは恐らく先生だけが抜けられない檻だ。けどあれくらいの面積なら先生のスピードで襲撃は逃れられる。一体どうやって…駄目だ。今は先生の様子が心配だ。急いで旧校舎に向かおうとすると、


「ご覧下さい!あちらにいるのが怪物に脅されていた生徒でしょうか!!」
『え』
「君たち人質にされていた生徒だよね?」
「今のお気持ちは?」
『ちょっと!』

突然フラッシュに囲まれて身動きが取れなくなった。芸能活動のことを考慮してくれたのか、渚さんが私を背後に隠してくれた。彼の背中の影で頭はショートしている。脅された?人質?どう言うこと?

倉橋さんが泣きながら殺せんせーはそんなことしてないと訴えるが、

「なんて悍ましい光景でしょうか!」
「脅迫だけでなく洗脳もしていたとは!」

彼らの耳には届くことはない。








『(図られた………!!)』




私は静かに奥歯を噛んだ
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