第45章 自分たちの時間
『うーん…カジュアル過ぎ?でも急に温度調節が必要になったら困るよね』
今私はデートの服を選択中。バレンタインの後渚さんから電話で連絡が来た
『え?第一志望校合格した!?』
「うん、さっき殺せんせーと通知見たんだけど無事に」
『わぁ、おめでとう御座います!』
「ありがとう」
電話越しで彼が照れ臭そうに笑ってる
「でさ、落ち着いてきたからせっかくだしデートでもどうかなーって」
『え?』
「あ、あのっ、本当に予定が合えばの話だけど…」
自分で言っといて照れてる…可愛いな
『これまた急に何故…』
「付き合ってからそれらしいことできてなかったから…遊夢ちゃんが留学する前にしたいって思って。バレンタインのお礼もしたいし」
というわけで予定にも問題がなかったので初めてのデートをすることに。今年出来上がった水族館のアミューズメント施設に連れて行ってくれるみたい
せめて可愛い格好をしようと努力しているがうまくいかない
『あ、やばもう寝なきゃ。でもこれどうしよう…』
とりあえず散らかった服達は適当に畳んでまとめて寝た。次の日もギリギリまで悩んだのは言うまでもない
『お待たせしました』
「お、来た来た」
寒気も残っているので結局選んだのはワンピースの上に白いコートと白いベレー帽という全身真っ白だった。対して渚さんも普段のコートを羽織っているのでせっかくの服も見えなくて残念
「遅刻するなんて珍しいね」
『初めてなので…どういうの着たらいいのか分からなくて』
「…」
『渚さん?』
「ううん、何でもない。もし良かったら電車で寝てていいよ(嗚呼これが恋人同士…)」
『やっぱり新築なだけあって結構人いますね』
流石観光地。休日も相まって人がごった返しだ
「最初水族館行こう。はぐれないように気をつけてね」
『あ、あの、手は繋がなくても…///』
「もう恋人なんだからさ、たまには僕にもエスコートさせて?」
人は愛を知れば怖いもの知らずになるのだろうか。少なくとも目の前にいる彼はそうだ。照れているのがバレないように俯く