第44章 進んでいく時間

番外編


「おはよう」

『おはようございます』




「………気になる…」
「ほんそれ」






『え、なんて？』

「だーかーらぁ！余りにも何もなさすぎだっての！！距離感小学生かよ！！」

昼休み、女子たちと昼食をとっていると中村さんから指摘があった。何もない、というのはおそらく私と渚さんについてだろう

渚さんとはお付き合いしても卒業するまでは今まで通り学校生活を送ろうと約束しているので確かに意識的にはそれっぽいことはできていない。逆にそんなもの見せつけられても困るだけだろうし



「私幸せになれって言ったよね？寧ろあえてやってるの？私への裏切りに値するよ？」

『ヒッ…』
「こーら。カエデちゃんヒス語で遊夢さんを困らせない」

でもまあ流石にみんなに不審がられたのか逆に追及されてしまった



「渚はヘタレだから一度好きになり始めたらドロッドロに甘やかすのはもう察せるけどさぁ

なんもないと揶揄えないじゃん。つまんね」

『中村さんは私たちに何を求めてるの…』

「まあ、揶揄うかどうかはともかく、そういう様子がないと心配になるよ」
「逆に私たちの目が気になっちゃうのかなって」
「そーだよ。たまには遊夢さんから甘えてみれば？」

『甘えッ…』

「…どうかした？」

『いや…


本当は今までそんなことしたことないから、
甘えるってどうすればいいのかわからなくて…///』




「「「「……」」」」







「ピュア過ぎんか」
「守りたい超えて殴りたい」
『す、すみません…///』





「だとよ渚。どう思う」
「……僕の彼女可愛い…
あと今後ちゃんと甘えられることに素直に期待してる」
「教室の真ん中で何話してんだか…」