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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第44章 進んでいく時間


後日、最後の進路相談が開かれた。先生の前に座る


「国内の第二志望校までは無事合格できたみたいですね」

『はい、でも今は殆ど第一の書類審査の結果待ちなので』

「君なら問題ありませんよ。腰を据えて待っていなさい」

『……

色々、ありがとうございます。


あの後本当に進路を変更できるなんて思わなくて…私一人の力じゃ何もできなかった』

「その言葉を聞いたうえで問いましょう。

貴方の将来の夢は何ですか?」

『……

好きな音楽で生きていきたい。

今までは大人とか、嫌いな奴を見返したいって強く思ってたけど…今は、私の歌で知らない誰かに勇気を与えたい。
勿論度肝を抜かしたいってのは欲としてはあるけど…その顔はきっと拝めることはないし、そんなことの為に使われるのなんて音楽も嬉しくないもんね


それで…時々渚さんと普通の生活をしてみたい…かな?』


「ようやく自分の言葉にできましたね」

『自分の趣味でーなんてちゃんと働いている人に怒られそうだけど…』

「そんなことありません。幸福の価値観は人によって違いますから。だが君は世の中を揺るがす内に秘めている。先生が保証します

自分が壊れない程度に、頑張って下さい。


君の歌が世界から届いてくるのを心待ちにしています」


嬉しかった。私を応援してくれて、にっこりと警戒のない顔で笑ってくれて。


その裏で、胸騒ぎがするのだ。





先生は、本当にその時傍で私の歌を聞いてくれるの?
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