第44章 進んでいく時間
「おめでとー!」
『…?』
翌日、晴れて私たちがお付き合いすることになったことは筒抜けのようで何人かに祝われた
「ようやくくっついたんだね!」
「あの暗い話聞いた後だったけど、まあ渚ならきっと大丈夫だよね」
「ようやくあいつから恋愛相談受ける俺の役目も終われるのかー」
隣を向くとカルマさんがあからさまな口笛を吹いてた。
……聞いてたな、こいつ…
まあ気配がしてたのは分かってたからどんなもの好きかと思えば…
「悲劇の過去を想い人と共に乗り越える…いいネタをもらえました♪このまま濡れ場に入っても悪くないですねぇ」
後ろでゴシップ先生が何かメモってるのは見ないでも分かる
『……((パンッ』
「うう…あんなにみんなと協調したがらなかった早稲田さんが自ら暗殺を仕掛けるなんて…」
『黙れタコ』
―――
「第2志望以内まで合格ッ!おめでとうございます!!」
興奮した先生がぺちんペちんと自分の手を叩く
「おめでたい日にする事と言えばぁ...」
みんなクラッカーや飲み物を構えて...
「編集作業です」
「「「「なんでだよ」」」」
そういってパソコンに向かいだす先生。てっきりパーティーだと思ったよこの流れ。
『編集って…何の?』
「勿論、君たちの卒業アルバムですよ!思い出深いものが沢山あるので絞り込まないと…」
ああ、もうそんな時期なのか…ふとこの一年の思い出が頭をよぎった。自然と口角が緩む
「私自分の写真見るの嫌いなんだよねー」
と少し気だるげな中村さん
『何故?』
「目ちっちゃいから」
「ご心配なく!」
先生が見せた写真にはフィルター加工が綺麗にしてある中村さんの写真が
「…相変わらず手厚いことで…(汗」
「まだまだありますよ!皆さんと映りこんだ秘蔵写真!」
先生はいくつか机に並べ始めた
「クールビューティ速水さん、ペットショップにて!」
「!?」
子猫にデレデレま笑顔で頬ずりする速水さんや
「エアギター三村!」
「え」
誰もいない教室でエアギターを堪能する三村さん、
ん?
これ明らかに学校じゃないよね?
生徒の恥ずかしいシーンを躊躇いもなく次々にばらまいていく先生。もはや犯罪に近いと少し軽蔑した目で見た