第44章 進んでいく時間
「例えその情報開示の申請を出したとしても、最後までそれが来ることはない」
「どうして…私たちが子供だからって言いたいんですか」
「君たちは、
只の”暗殺者”に過ぎないからだ」
「「「「!」」」」
みんな目を見開く。
突きつけられた事実の裏に私たちを同業者(仲間)だからと認めてくれる烏丸先生のやさしさを感じた
「俺たちは起動兵だ。指示通りに動くのが仕事。例え関係者だとしても余計な情報は知らなくていい。
それがここのセオリーだ」
『…』
「烏間先生、結果はどうあれ俺らは暗殺やめないよ」
赤羽さんが一歩前に出た
「けど、半端な気持ちでやりたくない。救う方法があればまず救うし、無ければ無いで皆も腹を決められる
でしょ?渚」
「うん。クラスの大事な目標だもんね」
「だから今はっきり知りたいんだ
卒業まで堂々と暗殺を続ける為に」
その声を聞いて、もう言うことはないと悟ったのか烏丸先生は目を閉じた。その後、先生が生徒だけにして欲しいと頼んで教室を後にする
先生は直後、とんでもないことを口にした
「近々、これがISSに向けて打ち上げられるのを知ってますかぁ!?」
「「「「はあ!?」」」」
実は近々日本から有人ロケットが飛ぶ予定らしい。表向きではダミー人形を乗せての飛行なようだが、もし仮に本当に人が乗っていたら…?
「ハッ...うちの先生やっぱ頭おかしいわ」
「ま、まじで?」
「YES! MAJIKA!」
頭の中で”【前代未聞!?】中学生(15歳)が宇宙に行ったら!?”という動画のサムネイルがで出来上がった
『(はは…自由研究をするには少し遅すぎじゃない?)』
「行きたい人!」
「「「「はいっ!」」」」
「…まあそうだよな」
「おーおー男子だねぇ」
プロジェクトの侵入計画、宇宙を想定した環境適応訓練、諸々先生の尽力も加えて順調に進んでいる。後は本番の乗組員…なのだが、立候補者が多い。
「こういう時どうすればいいんだろうね」
「普通に多数決?」
「こんだけ人数いたらあんまり差ないでしょ」
「あ、自己アピール的なのして貰って話し合い…とか」
「できるだけ時間はかけないで決めたいんだけど…」
『あの…』