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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第43章 ”もういいかい”の時間(重いR)


「ええ!?大門寺!!?」

『はい。母の旧姓がそうだったので書類上はそういうことになりますね。
母が婚約するときも相当馬鹿にされたようですよ』

「ってことは…大門寺遊夢…」
「だいぶ強烈な苗字だけどからかえねぇ…(汗」

教室に戻ればまたいつもの日々が返ってきた。自由を手に入れるために犠牲にしたものは多かったけど…

これだけは変わらずにあってくれた。


それがただ嬉しい。


「もう書類とかの作業は終わったの?」

『はい。皆さんには気持ち悪い話聞かせてしまいましたが…』

「いいよ、いいよ」
「そのネタでまたひと作品書けそうだしね…」
「それに茅野みたいになんか垢ぬけた感じ。可愛いよ」

『特に何も変えてないんですけど…(汗』


「うーん、じゃあもう早稲田さんとは呼べないのかー」

「今更大門寺って付けてもな」

『別に好きに呼んで頂いて…』

「じゃあさ、いっそのことみんなユーミン呼びにしちゃえば!カエデだってそう呼んでるし!」

『え”』

「ちょっとー、私のオリジナルなんだから勝手に取らないでよ!」
「いーじゃん、減るもんじゃないし」
「それアリだわ!」
「いいね!」

『ちょ、皆さん…?』

「ユーミンー!」
「ユーミン、ユーミン!!」

『あ…あああ…///』

その日は一日中謎のユーミンコールによって羞恥心の谷に突き落とされた








「お疲れ様、遊夢ちゃん」
『ようやく名前で呼ばれた…』
「あはは」

放課後、渚さんと談笑しながら帰る。

「あれ、そういえば家はどうなったの?お母さんの実家ってそこそこ遠いんでしょ?」

『実は…今度荷物を明け渡すんですけど…

暫くわかばパークにお世話になる予定なんです』

「え、あそこに!?」

『余分な私物は実家に送るんですけど、そのほかに必要な生活の部分はあそこで何とかします。もう卒業まで2ヵ月もありませんし、身の回りのことはある程度できるのであちらも快く承諾してくれました。こんな形でまた…

本当は烏丸先生が同居を提案していたんですが、女子ですし…イリーナ先生が可哀そうなので』

「あー…確かに」

脳裏にキャイキャイ突っかかってくる彼女を想像する。意外とホントなんじゃないかな
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