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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第43章 ”もういいかい”の時間(重いR)


初めはしおらしい態度で席に座っていたものの、一度あんな風私を罵倒した父は反省の余地がないとみなされ、親権剥奪には王手になった。

「それでは、親権についてはそのように。暴行罪、脅迫罪についてはまた休憩後審議しましょう。他にも犯罪の歴がありそうですからね」

もう、私は一人だ。

頼る身がないのは不安だけど、これでよかったんだ。戻らなくていい。









「早稲田さん。いや、今は遊夢さんですか。彼に何か言うことがあれば」


『……

お父さん、今までありがとうございました。

貴方の下で生きてきたおかげで、自分の思いに気づけました。


私は、あなたのような大人にはなりません。血は繋がっても、私は私であることを一生かけて証明します。




どうか私のいない世界で、お体ご自愛下さい。さようなら』






「ッ……



死ねええええええええええええ!!!」


『!』

その言葉すら辱めに聞こえたのか、怒りは頂点に達したらしい。懐から万年筆を持ち出して私に襲い掛かってきた。

『(民事訴訟は被告人に対してチェックをしてないから…!)』



咄嗟に受け身をとる…が






((ダァンッ!!




『!』


「うちの生徒にこれ以上の攻撃はやめて頂こう」

『烏丸先生…!』

次に見えた光景は、彼が父を背負い投げして迎撃し、拘束している様だった。

「早稲田さん、いや、遊夢さん。よくあそこで受け身の判断ができたな。上出来だ

後は俺たちの仕事だ」

「クソッ…放せぇッ!!」

「裁判官、これ以上の彼女の同伴は危険だと判断した。速やかな退場を頼む」
「は、はいっ!」

「行こう」



烏丸先生に抱えられながら、岐路の裁判はそこそこ、いやかなり大惨事に終わった










「大丈夫か」

『はい、無事です。怪我もしてません』

「いや…これで、君の親はいなくなったのだろう」

『…大丈夫、とは言い切れません。まだ何も知らないまま、一人で生きていくのは不安だし心配です。

今はこれでよかったんだって言い聞かせるしか術はありませんけど…

お母さんが守り切れなかったものは、取り戻せたかなって思います』

「そうか…
だが一つ訂正させて貰う。

君は一人じゃない。頼る場所もある。

胸を張って生きろ」

『…はい』
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