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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第43章 ”もういいかい”の時間(重いR)


『……渚さん』

「…?」

『これでも私のこと、好きって言えるんですか?』


遊夢ちゃんの顔が、僕だけを見つめてる



『私、恐らくもう子供が産めないらしいです。

夏のあの怪我は、只の引き金に過ぎなかった。きっとずっと前から…』

「…」

『私も…



本当は渚さんのことが好きだった。恋愛はただ自分の快楽を満たすだけのことってしか知らなかったから…

ちゃんと渚さんのこと好きになりたかった…





でも、


何も知らない貴方を巻き込むのは場違いだと思ったから。

傷つけたくなかった。

私自身ももう問題に立ち向かいたくなかった。










それに何より…



















渚さんにそんな選択をさせたくなかった…』

「!」

『あの時、気持ちが遊びなんかじゃないって分かってたから。



私たちはまだ子供。だから、付き合う時に子供が産める女か産めない女かってことなんて考えさせたくなかった…



まだ、あなた”は”綺麗なままでいて欲しかったから…

私が身を引けば…何も問題はない。








なのに…!




捨てきれなかった!!自分の気持ちにもう嘘がつけなくなっちゃったの!!!』

「遊夢、…ちゃん……」




『私…昨日あいつを殺しそうになった。



もう我慢することは私には無理だったんだと思う。






でも……本当に殺したら、


私はあいつの血のつながった子供だって証明になっちゃう!!!』

「…」

『…ねえ、先生。


私怖いんだ。




私も大人になったら、あんな風に人を傷つけることを厭わなくなるのかな…?


自分の執着と自己満足を押し付ける大人になっちゃうのかな…?





嫌だ。


まだこの体があいつに乗っ取られる前に…



私は永遠に子供のままがいいなぁ……』



遊夢ちゃんの顔がどんどん歪んでいく。下手くそな笑い方で、両頬には大粒の涙が垂れてきた


ああ……


僕は…





なんてことをしたんだ








「遊夢ちゃんッ」

『!』

「ごめんッ、ごめんッ…ごめんッ」

力強く、抱きしめた。

もう二度と、どこにも行かせないと誓って
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