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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第42章 決断の時間


『く…』

とっさに銃を構える。軌道は見えてるから避けられるって分かってるのに…!

「意外とさ、弱いよね。そうやってムキになって不発させちゃうところとか。ほんと可愛い


確かに遊夢ちゃんは立派なトラッパーではあるけど、殺傷力はない。策はある。

ワイヤーだって目が慣れれば対処できるし、早撃ちも決まればひとたまりもないけど撃たせる隙を与えないくらい距離を詰めれば問題ない。
他にも地雷とか仕掛けたみたいだけど…こんな乱戦の中じゃあ、自分も誤爆しちゃう可能性あるし誘導はされないかなって」

『う…うう…』

全部、全部読まれてる…!!

誘われてたのは…こっちの方だった…




『あ…あああああ!!』




「もうお終い」

銃を蹴り上げられ武器を失った私は成す術なく彼の体重に押し倒された









「好きだよ。遊夢ちゃん






だから…















僕に倒されて」











『……





















はっ。





やなこった』




私が反逆気味に笑うと、彼は目を見開く


「んむっ…!?」



キスって本当に拘束させる力があるんだな…これで最低でも一瞬の隙が出来た。足で彼の体を密着させ、もう動かせないようにする。



早く。早くいって!!



そう視線の先に光るスコープに訴える。





『(…なんで、なんで撃たないの…)』


しかし、一向に銃声は聞こえてこなかった。


くそ、

でもまだ策はある。

右手の隠しスイッチを押す




ペイントの雨。




堀部さんが設置した罠だけど、最後の切り札として残しておいた


今度こそ、



終わらせる








((ドサッ



吹き飛ばされて、体を投げ出される。


横に5回転くらいした後に目を開いた。片手でしっかりと私の体を抱き締め、もう片方には私のワイヤー銃が

『あ…』

「大分使い勝手いいね、これ」


ああ、そうか。最初に私が二号と言ったからもう一つ何かしらあると踏み込んだのか。

一向に使わない、もう一つの銃に最後を賭けた


「本当ギリギリで都合よくて良かったー…」
私も、ちゃんと彼を実力で追い込めていた。


けど、

『なんで、私を助けたんですか…』

「似合わないから」
『え』
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