第42章 決断の時間
((パァン!
一発の銃声が鳴った
どこから、誰が撃ったのか分からなかった。
自分の腹を見るまでは
『え…』
「うん。やっぱりそっちの方が似合うよ」
渚さんがしゃがんでにっこりと私の顔を見つめる。ああ、似合わないってそういう意味なのか。そう悟ってもう一度自分の青くなった腹を見つめる
『ひっ…』
急に彼の手が私の腹を撫でた。そのままの手で私の顔を包み込む
「これで…僕のって証になったかな…」
視界いっぱいに映る彼はとても至福な顔をしていた。
怖い…
怖い…
怖い…
このどこにも逃げられない感じ…嫌…
体温が急に冷めていって…手先からカタカタと震えだす。
その後の記憶はぼんやりとしかない。
私は暫く筋肉が痙攣していて動けなかったらしい。最終的に試合は青チームが勝ったらしいが、私にとってそれはどうでもよかった