第42章 決断の時間
((パパパァンッ!!
「(な…!)」
「早…」
『ふー…
危な。初っ端から殺されるところだった』
「あれは…
”早撃ち”
西部の人の伝統芸で、やり方は単純に構えるから発砲するまでの時間を短くすること。ただそれを可能にするにはスピードと正確な命中率が必須になってくる。
厄介なのは初手でそれを防ぐのはほぼ不可能だということ。
発砲の訓練はいつも構えた状態で一斉に行っていた。俺でもその成長に気づくことができなかったのか…」
「ヌルフフフ…あの殺し屋の入れ知恵ですかねぇ」
「遊夢、ワイヤー銃の調子はどうだ」
『大分使い勝手がいいですね。巻き取り機能付きなのは大きいかも。届くのがギリギリだったのでどうなるかとは思いましたけど…
緊急回避に使わせてもらいます』
「待て!」
「……ワイヤートラップの巣…」
「早稲田さんの跡だ」
「電報。西エリアにも多数の罠が見つかった」
「これは…」
<僕でも想定外だったね…>
『報告。
大岩の裏にワイヤー設置完了。倒すのに上手く使って下さい。あと南南東、北西にも地雷を設置しました。注意してください』
「了解」
上手くいっている。息を潜め、裏山中を駆け巡る。ナイフは中距離なら何とか対応できるけど長距離を銃で撃たれたら避けようがないから敵の視線には気を付けてる。
そして意外と私はワイヤーと相性がいいらしい。体も小柄だから間を潜り抜けたり行けない場所まで行ける
トラッパーの力が仲間に使うことになるなんてね。
「十分すぎる功績だよひつじちゃん」
『赤羽さん』
「追加は今のところは大丈夫。後は旗だね」
『!』
今回は数による大小を慣らす為にお互いの旗を最終陣営として設けている。それが相手に取られた時点でチームはアウト。もう戦況に王手をかけるつもりらしい。
「渚君の発見情報が未だにないのは気がかりだけど…」
『…』
「ま、何とかなるでしょ?」
『雑。
中村さん達の後付いてきますよ』
「ちゃんと分かってるじゃん」
仮に彼らがやられても私がいる